今年度SAAをしております園山隆一です。
今回、私が所属しております大土地神楽について書かせて頂こうと思います。
大土地神楽は、旧大土地村・中村の氏神である「大土地荒神社」の神事の舞、また、奉納神楽として伝承されてきました。
古くは大土地荒神社の神主によって舞われていましたが、寛政10年(1798年)に書かれた記録によると、宝暦年間(1760年前後)には既に素人神楽が舞われ、その頃から子どもも舞を奉納していることが確認でき、300年以上途絶えることなく民衆によって受け継がれています。
その舞い振りや奏楽についても、昔ながらの形で受け継がれており、出雲大社の門前町として盛んだった芝居興行による影響もあってか、とかく観衆を意識し、楽しませる所作・演出が随所に見受けられます。
また能舞の要素が多分に含まれた舞いも残っており、腰に「まくら」を背負った上に衣装を着けるといった、独特な容姿となっています。
そのような特徴を現在まで継承していたことや、古くから子ども神楽を継承していることが文献によって確認されたことにより、昭和60年には島根県無形民俗文化財に、また、平成17年には国の重要無形民俗文化財の指定を受けることができました。
毎年10月20日を過ぎた最初の土曜日が大土地荒神社例大祭への神楽奉納の日です。例大祭前日には本均しと呼ばれる本番同様のリハーサルを行い、翌日には本祭での奉納を迎えます。
両日とも夕方18時から、日付が変わった2時近くまで、例年18演目程度奉納いたします。
大社町に続いてきたこの伝統芸能を後世に残すため、これからも精進し、励んでいきたいと思っております。